「軽やかな凝縮感」
ひとことで言うと、そんな矛盾するような印象。
イタリアはトレンティーノ・アルト・アディジェ州のごく一部で産出される、
“ラグレイン”という土着品種を使った赤ワインです。造り手のジョセフ・マイヤーは1600年代から続くという由緒ある蔵元。
色は若干紫を帯びた、黒に近い濃厚さ。甘みが凝縮した粒の小さい果実香に加え、薬草系の涼しげなスパイス香もそこはかとなく。
飲んでみると、きれいな酸に導かれるように滑らかな果実味が後を追い、中盤にかけてグッと盛り上がりつつも、アフターは祭りの後の静けさのように、スパイシーな香りを残しつつスーッと撤収していく感じ。キャンティやバローロに代表される、いわゆるイタリアワインのイメージとは趣を異にした、涼しい産地を想像させる優しい香味。
半日が経過し、昨日開けたときよりも若干丸みを帯びて、さらに洗練さが加わったような印象です。開けて24時間後となる今日の夕方頃には、もっと練れて複雑さがでているかもしれません。
こんなワインがグラスで飲めるのがhanawineの面白いところ。一杯1,500円でお出ししています、
ジョセフ・マイヤーのラグレイン・レゼルヴァ2004。自家製ソーセージでもつまみながら、ゆっくりと一杯いかがでしょうか。