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【特集】この秋おすすめ!シチリアのワイン
シチリアというと、みなさん何を思い浮かべるでしょうか?マフィア?ゴッドファーザー?ニューシネマパラダイス??

太陽が燦々と輝く、地中海に浮かぶ南の島。魚介類が豊富で、トマトやオリーブオイル、果物やワインが豊富に作られている、リゾート地といった印象でしょうか。私はもちろん、まだ行ったことはありませんが、写真を見たり本を読むにつれ、「はぁ、いつか行ってみたいな~」と溜息を漏らすばかりです。

そんなシチリアですが、かつては大量生産のバルクワインの中心地として、あふれるほどのワインを生産していました。2003年のデータでは、なんとカリフォルニア、オーストラリアという巨大産地に次ぐ三番目の耕作面積とワイン生産量を誇ったそうです。

地元の人々がひたすらガブ飲みする地酒か、イタリア各地へ運ばれてブレンドに回されるバルクワイン、あるいは甘くてただ飲みやすいだけの白ワインに、甘口のマルサラ酒ばかりが造られていた、シチリアというワイン産地。

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(写真)アルベレッロ(無支柱で低木仕立て)による栽培の派遣請負を通して、伝統を守る栽培職人集団「チーム・イ・ヴィニェリ」の人々

しかし1980年代以降、少しずつですが、大きな変化が起こりました。島の内外からシチリアの将来を信ずる人々が集まり、高品質ワインを造ろうという機運が高まってきたのです。カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネ、シラーなどの外来品種を植え付け、オークの新樽を用いた、モダンな高級ワインたち。これが、進歩の第一段階でした。

ただ、これらのワインはどうもお仕着せのような気がして、今ひとつ深いよろこびをもたらしてくれないのではないか?真に独自な味わいのものでなければ、そのワインがシチリアで造られるということに意味がないのではないか?そう考える人が出始めてきたのです。

そこでシチリアの土着品種に対する関心がにわかに高まり始めました。ここからが進歩の第二段階です。

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(写真)ベナンティが所有する畑に植わる、高樹齢のブドウ

「捜し求めるべきは、今増えつつある、もっぱらシチリアの土着品種で作られたワインであろう。カタラット、フラッパート、グレカニコ、グリッロ、インツォリア、ネレッロ・マスカレーゼ・・・中略」(マット・クレイマー「イタリアワインがわかる」より)


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(写真)エトナ山を望む

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(写真)イル・カンタンテが所有する畑のブドウ

【特集】この秋おすすめ!シチリアのワイン_b0082744_12471390.jpgシチリアという土地で、シチリアに昔からあるブドウを用いて、シチリアの気候のなかで造られた、真に独自な味わいのシチリアワイン


もちろん、ただシチリア産なら何でもいい、というわけではありません。より高品質のブドウを求めて、シチリアの中でも標高の高いエリア、土壌構成が複雑な土地、風通しがよく陽光を浴びる斜面の畑へと目を向けて、厳しい畑仕事に耐えながら、よりよいワイン造りへと邁進していった人たち。この造り手たちの気概と情熱なしには、今日の素晴らしいシチリアワインは生まれ得なかったと断言していいでしょう。


そこでhanawineでは、真に独自な味わいというべき「シチリアのワイン」を生み出している造り手に注目し、ご紹介したいと思います。
注目すべきシチリアの生産者たち



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(写真)ベナンティを支える3人

●Benanti ベナンティ(エトナ地区)
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1988年より、エトナの土着品種に着目し、アルベレッロ(無支柱で低木仕立て)で高樹齢のブドウにこだわる造り手。畑は標高の高いところに位置するためきれいな酸が残り、まるで岩清水を思わせるミネラリティに富んだ、繊細なワインを造っています。

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(写真)エトナ山をバックにしたサルヴォ・フォーティ

●Il Cantante イル・カンタンテ(エトナ地区)
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エトナに生まれエトナを愛する生粋のエトナ人醸造家、サルヴォ・フォーティ氏(2008年ガンベロロッソで「最優秀・環境志向栽培家賞」を受賞)が造る、究極のエトナワイン。南の土地でありながら標高1000メートルを超える冷涼な環境で、樹齢100年をこえる畑が今も生きているエトナの真の姿を、見事に表現するようなワインです。

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(写真)アリアンナ・オキピンティ

●Occhipinti オキピンティ(ヴィットリア地区)
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若き女性醸造家アリアンナ・オキピンティが、生まれ故郷であるシチリア南部のヴィットリアに畑を購入し、ネロ ダーヴォラとフラッパートという土着品種にこだわって始めたワイナリー。彼女のワインには、芯のしっかりとした頑強な部分と、それを包み込むような柔らかく優しい味わいがくっきりと存在し、それはまるで彼女自身を現しているかのような、誰にも真似の出来ない個性を作り上げています。

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(写真)トラクターにまたがるアリアンナ・オキピンティ

●COS コス(ヴィットリア地区)
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『ワインを作ること自体は無意味だと思っている。僕等が興味を持っているのは、このヴィットリアのミネラル、土壌の力強さと自分達のキャラクターをワインで表現すること。』そう語るのは、学生時代から高品質ワインへの志を持っていた、オーナー兼栽培・醸造家のジューストとティッタ。アンフォラ又はセメントタンクでの発酵、熟成を特徴としており、土地のブドウのピュアな味わいを表現しています。

●Tomas & Giesen トマス・エ・ギーセン(シチリア)
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「地元の生産者を巻きこんで、テロワールを尊重しながら、栽培から瓶詰まですべての段階をフォローする」というやり方で、1995年よりトスカーナ、カンパーニア、シチリアでワイン造りを始めたファブリツィオ・トマス、ステーファノ・ボルサ、ステファン・ギーセンの3人。ナチュラルをモットーに作られるこれらのワインは、「ウヴェ・ダ・アグリコルトゥーラ・ビオロジカ」の認証を取得、手頃な価格ながら、土着品種の長所を見事に引き出した、親しみやすいワインを造っています。

以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素晴らしいシチリアのワインとともに、深まる秋の食卓が賑やかで楽しいものになれば、これ以上の幸せはありません。
注目すべきシチリアの生産者たち


あとは、いつかきっと、シチリアに行ってみたいものです・・・!!


シチリアのワインも飲めるかも!
【イベント情報】11/8(日)19時~「ジビエ!キノコ!イタリアワイン!!の会」

ご参加お待ちしています♪


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by hanawinehiromi | 2009-10-29 12:27